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閉じたパラダイス(バリ島 ウマラス)

  • Posted by: 藤田祐一
  • 2006-06-07 Wed 20:05:56
  • 空間小話
バリ島 ウマラス
Bin House別荘

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閉じたパラダイス
近年オシャレなエリアとして人気を集めるバリ島有数の
リゾートエリア「スミニャック」からクルマで15分ほど。
ひなびた海岸沿いの広大な敷地にその別荘はありました。

日本での幸運な出会いと、仕事で少し絡んだことが重なり
僕は昨年、「Bin House」というインドネシアを代表する
ファッション・インテリアブランドの経営陣とメインスタッフが
休暇を取るためのバリ別荘地に招かれたのでした。

千坪を越える敷地に彼らが寝泊りをしたり、
来客を招いたり、祝宴なども行えるようないくつもの
建物が配され、庭には最新式の塩水循環システムを
備えたプール、さらには私設博物館も建設中でした。
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経営者が創業オーナーのファミリー企業であることを
考えると、バリにこうした広大な別荘をもつことは
難しいことではないでしょう。
(予想以上の規模ではありましたが・・・)

しかし、その規模以上に驚かされたのが
彼らの洗練されたセンスのよさでした。

彼らの独特の感性を一言でいうと、
「インドネシアの伝統とグローバルモダンのハイブリッド」
ということになります。

Bin Houseを世界的に有名にしたバティック製品を
見ても分かりますが、伝統的な美や技を学術レベルで
研究したうえで、極めて洗練された現代的なかたちで
プロダクト化していく能力には驚かされるものがあります。

日本人が着物文化をなかなか上手く現代化できない
のとは対照的ですね。

彼らは、ほとんどがインドネシアで生まれ育った
インドネシア人ですが、民族的にはチャイニーズの血が
色濃いようですし、跡取り息子をロンドンに留学させたり
欧米のスタイルも日本人以上にスマートに消化している
ように見えます。
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もちろん日本のハイテク商品や食文化も大好きで、
日本最新のデジタル家電製品もあちこちにころがって
いましたし、ある晩の夕食にはグランドハイアットの
和食シェフを招き、揚げたての天麩羅が振舞われたりしました。

しかしなんでも日本万歳というわけではなく、韓国や
ヨーロッパのメーカーブランドなども適材適所に取り入れて
いいところ取りのライフスタイルを構築しているようでした。

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そのように極めて柔軟に世界中のさまざまな文化の
エッセンスを吸収しながら、ベースにはインドネシアの
伝統文化を強固に保持するという独特のスタンスから
独特の美的スタイルが生まれているのでしょう。
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訪れた時はちょうどスタッフ同士の結婚イベントを
控えているということもあり、まるで現代アートのような
オブジェや照明で広大な庭園が演出されていて、
多様な文化テイストがバリの自然に入り混じりながら、
美的に統一された様は、今までちょっと見たことがない
光景でした。

ここでくつろぎながらおしゃべりをしたり、本を読んだり、
泳いだり、一緒に食事をしたりして過ごす時・空間は、
外から訪れた人間にとっては一種のパラダイスですね。

しかし、一方で思い知らされたこともあります。

それはスタッフや使用人も含めて
彼らがひとつの大きなファミリーであり
強固な岩のような結束を誓うコミュニティである
ということでした。

彼らは招いた客には、基本的に親切でオープンなのですが
あくまで「招いた=外の人間」というポジションが明確で
あることが前提の受け入れ方であり、
基本的には「閉じた世界」を生きているということです。

会社を守り、さまざまな危険から自らを守るためには
外との境界を設け、結束を固めて生きていくというのは
世界では常識なのかもしれません。

しかし、コミュニティが崩壊した後の日本で生まれ育った
僕にとってそれはうらやましい光景でありながら
同時に息がつまりそうな世界でもありました。

あらゆることが共同体=ファミリーの中で管理され
完結する世界で生きる自分を、ちょっと想像してみると
正直ゾッとするものがあったのも事実です。

西洋人ほど個人主義にもなれないし、
伝統的な共同体社会にも戻れない。

個は尊重されながら、ゆるやかな繋がりの中で生きる。

そういった第3のスタイルのための
空間のあり方を探していきたいと思います。

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世界に魔法がかかる時間帯

  • Posted by: 藤田祐一
  • 2006-04-13 Thu 22:41:38
  • 空間小話
空間小話1
マジカルタイム

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数年前、バリを訪れたときのことです。
現地の知人と2人で海沿いのレストランから
日没直後のビーチを眺めているときに、
彼は面白いことを教えてくれました。

「バリでは1日のなかで2度だけ、
不思議なことが起こりやすい時間がある」

「え、それはいつ?」

「ひとつは今のような夕暮れ時。もうひとつは夜明け前。
そして、その時間をマジカルタイムとバリでは言う」

「へぇー、でもどうしてマジカル(魔法)なの?」

お互い拙い英語での会話なので
細かいニュアンスは意思疎通できませんでしたが、
彼の説明では、
夕暮れ時は「昼から夜へ」、夜明け前は「夜から朝へ」と
世界が反転する境目なのだから、その瞬間だけ
あの世とこの世が入り混じるのだ、とのことでした。

医者に治せない病人をバリヤンという呪術師に見せたり、
儀礼では一般人がトランスに入ることも珍しくないのがバリです。
(このこともいつか書こうと思っています)
彼の話しは特別驚くようなことではありませんでしたが、
でもそれを聞いたときはなんだか世界がちょっと厚みのある
豊かなものに膨らんだような気がしました。

しかし、あの世とこの世が交じり合うかどうかは別としても
実際にこの時間帯に特別な空間が現われるのは確かです。

映画業界では「マジックアワー」と呼んでいるようですが、
太陽が地平線に沈んで完全に暗くなるまでの20分間程を
特別な時間帯として映像表現に活用しているようです。

なぜならその時間は、沈んだ太陽の光がいったん
空に反射してから均一に降り注がれることで、
光に強い方向性がなくなるのです。

そして、そのことで夜とも昼ともいえないような
不思議な光があたりを埋め尽くし、
独特のしっとりとした美しい映像が撮れるのだそうです。

映像撮影者にとっての魔法の時間なのですね。

でもこの魔法の時間はもちろん、バリや映画の世界だけの
特別なものというわけではありません。
私たちの日常生活の中でも必ず1日に2度やってきます。

午後の打合せから戻る時や、徹夜明けの帰宅時など
この時間帯に出くわすと、いつもの平凡な街並みや風景も
全く違った表情を見せてくれるのです。

そんなときは、いつも怒ってばかりいる人が
ふとやさしい表情をみせてくれた時のように
ちょっと得した気分になるから不思議です。

そして、変な言い方ですが、天国とか涅槃などではなく
この世界に生きていることを「悪くないな」と思うのですね。
(普段不幸だと思っているわけではありませんが・・・)

これはやはり、「魔法の空間が出現するマジカルタイムだ」
と、個人的には思っています。
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