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死のレイヤー感覚(近つ飛鳥博物館)

  • Posted by: 藤田祐一
  • 2006-08-30 Wed 23:10:49
  • 建築
大阪府 南河内郡
近つ飛鳥博物館

水・食料・エネルギー。生きる3大要素の大半を
日本は輸入に頼らなくてはいけない・・・としたら
たとえ少しぐらい腹が立つことがあっても
世界中の国々と仲良くするしかない・・・と思う


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死のレイヤー感覚

ここは102基にものぼる日本有数の古墳群を保有する
「近つ飛鳥風土記の丘」の窪地に位置します。

そしてそのことがこの博物館をめぐる体験を
他とは全く違ったものにしています。

その稀有の体験をするためには、館を訪れる前に
周辺の古墳群を巡ってみることがお薦めです。

古墳群や出土物の歴史的価値(日本古代国家形成の
プロセスに関わる貴重なもの)については他の解説に譲るとして
僕が声を大にして言いたいことは
周辺いたるところに古代人の埋葬地である墳墓や横穴式石室が
ほぼそのまま剥き出しで保存されており、
それを直接にナマで体験できるということなのです。
(一部のものは石室内に入ることも可能…、でも怖い!)

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その場で終始感じるのは古代へのロマンなどといった
生易しいものではなく、「死の匂い」や「闇の感触」といった
不気味でグロテスクな感覚です。

墓なのだからあたりまえなのですが、歴史的遺物や遺跡
という枕がつくと僕たちはついそのことを忘れてしまいがちですね。

だから、6世紀を中心にある期間の王や支配者達の墳墓が
集積したこの一帯は、「死の積層地帯」であるとも言えるでしょう。

その時代を象徴する遺物と一緒に無数の「死」が
古い地層のように積み重なる丘。

そして一部が地表に露呈し、地震によって現われた
深い断層のように底のない「闇」を出現させていて、
僕たちを身震いさせるのです。

その体験の後で博物館へ向かうと、博物館というシステムの
功罪について考えざるおえなくなります。

きれに拭き清められ、繋ぎ合わされ、補修された遺物は
美しい光を浴びながら整然と陳列されます。

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体系づけられ、歴史・文化の記号や象徴として安住の地を
与えられた展示品の数々。

そこにはもう「死と闇」の気配はほとんど消えてしまっているのですね。

でも現実は、

すべては死に破壊され、闇へと還っていく。
しかし一方で、死が積み重なることで
その闇の中から新しい何かが生まれてくる。

その事実の凄みを忘れてはいけない気がします。

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館の設計は安藤忠雄氏の手によるもので、大胆な空間構成や
力強くダイナミックな表現は安藤節炸裂という感じですが、
僕はこのエリアの死が剥き出しになっているような断層感覚が
設計デザインに大きく影響している気がします。
むしろ「層状(レイヤー)」がモチーフになっているのでは?
と思うほどです。

もともと闇の力にも精通している感のある安藤氏にとっては
鬼に金棒の設計条件だったのではないでしょうか・・(笑)

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