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イスラム建築のビートルズ(セリミエ・ジャーミィ)

  • Posted by: 藤田祐一
  • 2007-02-24 Sat 02:24:47
  • 建築
トルコ エディルネ
セリミエ・ジャーミィ

写真を見返していると風景や空間も懐かしいですけど、
トルコのパンだけは今すぐにでも食べにいきたいぐらい恋しいっす…

一応今回でトルコシリーズの終了となります。
次からしばらく和モノで行こうと思いますー。

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イスラム建築のビートルズ

イスタンブールへ戻ってから二日目の夜、
ホテルのテラスでブルーモスクの夜景を見ながら
「あさって帰国か、疲れたけどいい旅だったなぁ」と
浸っていると、何やら嫌な予感がこみ上げてきます。

「スィナンの最高傑作、セリミエ・ジャーミィを観てないじゃないか!」
内なる声が囁きます。

「いやセリミエ・ジャーミィはブルガリアとの国境町にあるし
日程的にキツイからやめたはず、行き方もわからんし、
モスクはいいものいっぱい観たし、もうエエやん・・・」

精一杯の抵抗も空しく、翌日に帰国を控えた最後の朝、
僕はイスタンブール発の巨大バスターミナルを走り回っていました。

英語もほとんど通じないなか鬼の形相で
「エディルネ行きのバスはいね~かぁ~?」
「もっと早くエディルネに着くバスはいね~かぁ~?」と
秋田のナマハゲのように、立ち並ぶバス会社を端から回り、
なんとか日帰りできそうなバスに乗り込みました。

旅先で「内なる声」はたびたび無茶な命令を下しますが、
それが間違うことはありません、必ず満足する結果になります。

果たしてセリミエ・ジャーミィは、行ってよかった・・・
それは、必ず観ておくべきものでした。

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設計したのはオスマン帝国を代表する建築家ミナール・スィナン。
1575年に完成したときは80歳を超えていたようですが、
彼の、いや同時代の建築家の夢であった「イスタンブールの
アヤソフィアを超える巨大なドームを造る」ことに遂に成功し、
直径31.5mという巨大なドーム建築を完成させました。

スィナンは晩年「スレイマニエ・ジャーミィは職人時代の、
セリミエ・ジャーミィは親方時代の私の作品である」として
自らの最高傑作に挙げ続けたといいます。

僕はこのモスクはスィナンの最高傑作であるだけでなく、
オスマン帝国の洗練の極み、輝きの頂点にある作品だと思います。

巨大なドームに覆われ均整のとれた空間にいると、
絶対的な安心感に満たされると同時に
心が明るく、軽やかに、開放されていきます。

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宗教施設であり神聖な場でありながら
この軽やかさ、あっけらかんとした明るさは
実は他の一神教にはない、イスラム教ならではの
ポップな性格からくるものなのだと思います。

つまりイスラム教の正統派であるスンニ派は
「死後、天国での素晴らしい歓待の約束」を信じる一方で
この現世そのものも「限りない神の慈愛のしるしに満ちた場所」
「恩寵としての被造物」であると考えます。ですから神様は
人から何も隠したりせず、「いま、ここ、がすでに神の愛と
光で満たされた素晴らしい場所」であらねばなりません。
(イランに多いシーア派はもっと暗く終末論的ですが)

そう考えると、このモスクの明るさや軽やかさが納得できますね。

そうした宗教基盤に天才スィナンの一生をかけた試行錯誤が
この空間で花開いているのです。

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巨大ドームを太くたくましい8本の柱が支え、5つの半ドームが
ツリー状に連鎖する構造は、驚くほどシンプルに見えますが、
ひとつひとつの要素はディテールまで計算し尽されていて、
要素同士の配置、造作、デザインも「これしかない」という
完璧さでまとめ上げられていると思います。

スィナンは持てる全てを注ぎ込みながら、極限まで
無駄なものを削ぎ落として言ったのではないでしょうか。

そしてイスラム文化と、ひとりの天才建築家という
固有性や個性が最も深い領域に達し、洗練を極めた時、
普遍世界へのジャンプ(ポップ化)がおこったのです。
音楽でいうとビートルズのような現象がおこった・・・

近代以降ヨーロッパ文化が世界へ普遍化する以前に、
イスラム文化にも世界へ普遍化し得る可能性が生まれていた
と僕は思いたいのですね。

しかしその芽は、守り育まれることなくヨーロッパ近代化の波に
飲み込まれてしまったのかもしれません。

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帰りバスの中で
「この世界が神様の恩寵物であるという考えに、別に反対する理由はないな」
と思いました。

20070224020611.jpg

美しい風景や夕陽を眺め、いいようのない充実感に浸りながら
今回の旅はゆっくりと終わっていきました。

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